しんぶん赤旗20240414
こんな政治でいいのか
私も言いたい
元グーグル日本社長 辻野 晃一郎さん
戦争で儲けない国に
「日本を戦争で儲ける国にしてはいけない」。安保法制が成立した2015年に『週刊文春』の連載コラムにそう書きました。
日本人は、悲惨な戦争に加害者としても被害者としても関わりました。非人道的な原爆を2発も落とされて、ありとあらゆる地獄を体感しました。そのあと、戦争を放棄し国際紛争の解決を武力に求めないという平和憲法を掲げ、平和国家としてのブランドを80年近くかけて地道につくり上げてきました。ここには何物にも代えがたい価値があります。
それなのに安倍晋三首相(当時)が、いきなり集団的自衛権の行使を容認する違憲の安保法制を持ち出しました。武器輸出三原則を防衛装備移転三原則に変えて武器輸出を解禁し、ついには英・伊・日で戦闘機を共同開発して輸出することを閣議決定。殺傷能力がある武器輸出の解禁には背筋が寒くなります。
私は大学卒業後、独創性に共鳴してソニーに入社しました。創業者のひとり井深大(いぶかまさる)さんは「アメリカのエレキは軍需によってスポイル(台無しに)された」と話していました。民生用の商品こそ消費者の厳しい目にさらされる、だから技術は民生用の世界でこそ育つのだ―と。
日本がどんどんおかしくなっています。とくに第2次安倍政権以降、政治の劣化が止まらない。今問題になっている裏金議員は、政治資金規正法違反や脱税で摘発されるべきです。自民党の最高責任者である岸田文雄首相は何も責任をとらない。犯罪者集団が日本の中枢に居座っている。おぞましい光景です。
今回初めて「しんぶん赤旗」の取材を受けました。「赤旗」や日本共産党は裏金はじめ世の中の問題点をちゃんと指摘し、追及してきました。以前、X(旧ツイッター)に、最も弱者に寄り添う民主的な政党は共産党だと投稿したこともあります。そういう活動と姿勢に敬意を表して取材を受けました。他のまともな野党と協力し、自公政権を追い詰め、政権交代を目指してください。 (聞き手 三浦誠)