※しんぶん赤旗2023年5月9日(火)掲載記事 記事pdf
2期目もトップ当選
東京・荒川区 相馬ゆうこ区議
東京都荒川区の相馬ゆうこ日本共産党区議(40)は、4月の区議選(定数32)で3970票を獲得し、1期目に続き2期目もトップ当選しました。その力は何なのか。相馬区議事務所を訪ねました。(畑野孝明)
4月27日(木)午後3時。事務所に続々と党地域支部のメンバーらが集まってきます。この日は、毎週1万2千枚発行している「相馬ゆうこの南千住レポート(区政ニュース)」と、月1回発行の後援会ニュース、「しんぶん赤旗」日曜版の仕分けが重なり、20人近くでにぎわいました。
「(トップ当選の理由の)一番は、区政ニュースの毎週発行を続けていることだと思います。日常的に住民と結び付けたことで、前区議(父親の相馬堅一氏)の得票も、4年前の自分の得票もほぼ維持できた」と相馬区議は語ります。
読まれる紙面に
区政ニュースの始まりは20年以上前。再開発でオートロックの高層マンションが立ち並ぶ地域に急変し、その居住者に宣伝物を届けるためにと前区議が始めました。「ニュース」の大部分はマンションに配布し、戸建てや毎週の駅前宣伝での配布も続けています。
「自分が伝えたいことより、住民が知りたいことを載せる」―。前区議のアドバイスを受け、読まれる紙面にも努力。最新号では区議選の結果とともに、「ついに南千住にもスターバックス」と大手コーヒーチェーン店の進出計画を掲載。「区民には一大関心事なんです。荒川区は23区で唯一スタバがない、と言われていたので」(相馬区議)
「ニュース」はB4判裏表(4ページ)。4月末のトップ記事は区議選結果紹介で、共産党候補の結果だけでなく、低投票率への提案や、女性議員比率の低さ、自公の過半数割れなど全体状況が分かるよう工夫。毎号で子育て世代向け、インターネット情報を収集できない高齢者向けなど、区民全体に目を配り、「世代や党派を超えて、区民に役立つもの、情報源にしてもらえたらうれしい」(相馬区議)。
長年続ける中、区政ニュースの固定読者も生まれています。毎週2カ所の駅前宣伝では午前7時からの1時間半で300~500人が受け取ります。このニュースだからと受け取る人も多く、選挙中に何人もが「いつも読んでますよ」と声をかけてくれました。
地域が押し上げ
相馬区議は4歳と2歳の2児の母親です。夫は飲食店経営で夜は家を空けられません。4年前はゼロ歳児の母でした。夜や休日などの宣伝や対話・支持拡大などに制約があります。
相馬区議の実情や思いを共有した地区委員会や党支部が、宣伝や対話・支持拡大などで力を発揮しています。「ニュース」発行は前区議の頃から厚い体制を確立し、印刷するのは地区委員会のボランティアスタッフ。40人以上の配布スタッフごとに宛名付きで梱包(こんぽう)し、木曜日に相馬事務所に届けます。届いたニュースを分かりやすく並べ、三つの地域支部が党外のボランティアとともに一気に配布しています。
「南千住5―7丁目支部」の風間英一さん(84)は、戸建てへの配布を担当し、360枚を3回に分けて配ります。「マンションは大勢で一気にやる。私は出会った人と話をしながらゆっくり配るのがいい。毎週配るから顔なじみになり、後援会員になってくれる人もいる。後援会ニュースは120人に配布している」と話します。
茂木正道・荒川地区委員長も相馬区議の得票について「区政ニュースは他の区議も発行している。毎週1万2000枚配布というのが違う」と話します。地区は、20代の新入党員が区議とともにSNSチームに入り活発に活動するなど、新しい動きもつくりだしています。一方で党勢の後退は克服できておらず、同区でも選挙直前に地域の高齢幹部が複数倒れ、現職区議が議席を失う事態も生まれました。
「いつでも元気で明るくありたい」―。笑顔を絶やさない相馬区議の新たな挑戦が始まっています。