民青湘南地区 知事に申し入れ

海水浴場での性暴力防止・対応強化を

※「新かながわ」2023年8月6日号掲載記事から

申し入れ書を手渡す小松崎氏(左から4人目)ら同盟員。同席する(左から)木佐木、大山両県議=7月18日、県庁内

 江ノ島や茅ヶ崎など知名度のある海水浴場がある神奈川県。日本民主青年同盟湘南地区委員会の小松崎和奈(なな)委員長は7月18日、県庁を訪れ、黒岩祐治県知事あてに海水浴場における性暴力防止・対応強化を申し入れました。
 小松崎氏と同盟員が参加。日本共産党県議団の大山奈々子団長、木佐木忠晶副団長が同席しました。
 今夏は、コロナ禍で減った行楽客が回復し、海水浴場でのトラブルが増えることが予想されています。
 申し入れ書は、「海水浴場は、岩場や物陰、トイレやシャワールームなど、人目につかず犯行に及ぶことのできる環境が多くあります。こうした場所での性犯罪を許さない体制を、県の責任で確立するべき」と要望。▼県海水浴場等に関する条例施行規則に「性暴力、またはそれに準ずる行為の禁止」を盛り込む▼海水浴場のパトロールを強化する▼海水浴場の警戒体制を見直し、性暴力被害者への対応が十分に可能な人員を確保する▼性犯罪・性暴力被害者をサポートするワンストップ支援センターの案内などを海水浴場のトイレや海の家などに配置する―ことを求めています。
 小松崎氏は、同盟員や知り合いから「盗撮されたり、体を触られたりするのがこわい。子どもが被害にあうのもこわい」との声が寄せられていると紹介しました。
 県の対応者は、県の「海水浴場ルールに関するガイドライン」には犯罪ではなく、騒音問題など迷惑になる行為を盛り込んでいると説明。ガイドラインについて関係市町と議論するときに海水浴場での性暴力の問題を話すことはできると思うが、実態、統計はどうなっているのかと尋ねました。
 小松崎氏は「性犯罪自体、統計に出にくい」と指摘。大山氏は「海水浴場は肌の露出が多く、市民が犯罪者のターゲットにされやすい場所。性暴力の問題をガイドラインに盛り込む意義はある」と述べました。
 木佐木氏は、盗撮行為を罰する「撮影罪」が7月から施行されたことを受けて、市民に普及啓発する必要性を強調。知事が県政全般にジェンダーの視点を取り込むと公約していることにふれながら対策を強化するよう求めました。
 懇談後、党県議団が県警に問い合わせたところ、片瀬江ノ島東浜、西浜、鵠沼の3海岸だけで、盗撮に対する通報が2021年7、8月で5件、22年同月で2件あったことが分かりました。

新かながわ20230806