しんぶん赤旗 2023年1月9日(月)掲載記事から pdf
ジェンダー平等の日本をどう実現していくのか。春の統一地方選では各党の政治姿勢とともに地方政治の場での具体的な取り組みが問われてきます。日本共産党は、女性も男性も誰もが個人の尊厳を大切にされ、自分らしく安心して生きられる社会の実現のために全力をあげています。
●比率引き上げへ
日本は、男女平等の達成度を示す「ジェンダーギャップ指数」(世界経済フォーラム)で146力国中116位と異常な低水準です。なかでも政治分野での遅れは深刻です。地方議員の女性比率も15.1%にすぎません。パリテ(男女議員同数化)に向けて、まずは女性の政治参加への積極的な取り組みが欠かせません。
女性地方議員数は第1党
日本共産党の地方議員数は昨年12月29日現在で2505人。そのうち女性議員数は978人で第1党です。女性議員比率は39%になります。
自民党は、地方議員3438人中、女性議員は212人で、比率はわずか6.2%。ジェンダー平等の足を引っ張っています。
日本共産党は今回の選挙でも女性議員率をさらに引き上げるために奮闘しています。
日本共産党は政策・意思決定の場に「男女半々」の目標を掲げ、自治体にも働きかけています。党埼玉県委員会ジェンダー平等委員会と党県議団は2021年、県の次期男女共同参画基本計画の策定を前に、遅れている県職員の女性幹部登用の推進などを繰り返し申し入れ、県からも前向きな回答を引き出しました。
「生理の貧困」市民と運動
経済的な理由などで生理用品を十分に入手できない「生理の貧困」がコロナ禍で浮き彫りになる中、新日本婦人の会が「トイレットペーパーのように生理用品を」と全国各地の自治体に要請するなど運動が広がっています。日本共産党も生理用品の恒久的な無償配布や、学校などの公的施設のトイレへの設置を求めてきました。
実際に生理用品をトイレに常備する学校や公共施設が広がり、内閣府の調査によると22年7月時点で「生理の貧困」にかかわる取り組みを実施している自治体は715団体と前年5月の255団体から急増しています。
学校での提供について各地の党議員は、保健室よりトイレ、できれば個室に置くよう求めるなど生徒が受け取りやすい方法とするよう求め、一歩一歩改善を勝ち取っています。
女子中学生の30%が「生理用品がなくて困った」。置いてほしい場所は「トイレ」87%。「保健室」は1%。和歌山県の杉山としお県議は、県議会でNHKが報じたこんな調査を紹介し、県立学校のトイレに配置するよう要求。「保健室に準備している」という教育長に生徒に寄り添った対応を求め、テレビでも取り上げられるなど話題になりました。
京都市では党市議団が、生理用品を学校と公共施設のトイレに備えつけるよう求め、21年度末時点で市立学校24校のトイレに設置が実現しました。党市議団は、女性の貧困対策にとどまらず、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を保障するという角度からの取り組みをと市に求めています。
痴漢対策を議会でも迫る
●広がる実態調査
20年に党東京都委員会が実施した痴漢被害の実態調査は、千葉、京都、大阪、愛知などに広がっています。各地で党組織と地方議員・候補者らがアンケートや申し入れに奔走。深刻な実態を明らかにして、鉄道事業者や警察に対策強化を申し入れ、駅の電光掲示板やアナウンスの改善、警備強化などを勝ち取ってきました。
大阪市議会では長岡ゆりこ市議が、党の調査を踏まえ、被害者の多くが二次被害を恐れて誰にも相談できず泣き寝入りしている実態に言及。「誰もが安全に外出できる大阪市」をめざし、安心して気軽に相談できる市窓口の周知を求めました。
堺市では、深刻な実態を示して対策を求めた森田こういち市議の質問に市側が「まずは被害の実態を把握したい」と答弁。市のアンケートに痴漢被害の項目を設けることになりました。党市議団が提出した痴漢被害への対策を政府に求める意見書も自民、公明も含む賛成多数で採択できました。反対は維新のみでした。