失われた30年 世帯所得貧しく

しんぶん赤旗2023年11月23日(木)掲載 目で見る経済 ※記事pdf

しんぶん赤旗20231123

目で見る経済  しんぶん赤旗 2023年11月23日(木)

失われた30年 世帯所得貧しく

 自民党政治のもとで30年という長期にわたって経済は停滞しました。この「失われた30年」で世帯所得は貧しくなりました。
 厚生労働省「国民生活基礎調査」は世帯所得の分布を集計しています。ただし、2020年は新型コロナウイルス感染症により調査が行われず、19年の記録はありません。全世帯に占める年間所得1500万円超世帯の割合(グラフ右目盛り)は1992年に4.8%でした。その後、96年に5.7%まで上昇したあとは下落し、2021年は3.5%です。一方、年間所得200万円未満の世帯割合(グラフ左目盛り)は1992年は13.6%で翌年の12.3%と底を打ち、2013年には20.5%まで増えました。21年は19.7%です。

 低所得世帯が増加した要因として非正規雇用の増加と高齢化の進展があります。低賃金の非正規雇用が増加し、高齢者の生活を支える年金の給付水準が抑制されたため、低所得世帯が増えました。
 所得1500万円超の世帯が減る一方で超高額所得者は増えています。国税庁の統計によると、所得100億円超の人は06年の10人から21年は30人と3倍に増えました。超富裕層の増加とそれ以外の没落という形で社会の分断が進んでいます。    (清水渡)