スト構え前進 次の闘いに

全医労が全国で宣伝 春闘に弾み

職場の待遇改善と賃金アップなどを求めシュプレヒコールをあげる全医労の組合員と支援者ら=1日、東京・目黒区の国立病院機構東京医療センター前

※しんぶん赤旗2024年3月2日掲載記事 pdf
 国立病院の労働者らでつくる全日本国立医療労働組合(全医労)は1日、国立病院機構から前進回答を引き出してストライキを回避したもとで、今春闘の勝利にむけて、全国各地の国立病院前や駅頭で、より良い医療実現のための増員と賃上げを求める宣伝を行いました。
 機構は、昨年の春闘の賃上げを今年4月まで先延ばしし、ベテラン層でわずか月500円引き上げという回答に固執していました。全医労は2月29日の交渉で、最大8000円に上積みする2次回答を引き出し、ストを回避。本番を迎えている2024年の春闘で、月額4万円の賃上げを求め、3月14日の全国統一行動に取り組みます。
 国立病院機構本部がある東京医療センター前(東京都目黒区)の宣伝で、全医労の松本よし子副委員長は、ストを背景にした闘いで大幅賃上げを勝ち取ったと報告。「ストは回避したが、医療現場の実態に見合う賃金水準にはまだ遠い。運動の経過として、次の闘いにつなげる」と強調しました。
 日本医労連の佐々木悦子委員長は、医療従事者の基本給は低く、過酷な夜勤の手当でかさ上げしている実態を告発。労働条件改善を勝ち取ろうと訴えました。国公労連の九後健治委員長は「全医労のストを構えた闘いが、労働組合の仲間に勇気と元気を与えている」とのべ、春闘の弾みになっていると激励。23春闘で勝ち取れなかった分の賃上げを24春闘で取り戻そうと呼びかけました。

前進回答知らせよう 札幌全医労スト回避報告集会

前進回答を喜び合う参加者=1日、札幌市

※しんぶん赤旗2024年3月2日掲載記事 pdf
 札幌地区労働組合総連合は1日朝、北海道医療センター前(札幌市西区)と北海道がんセンター前(白石区)で、全日本国立医療労働組合に連帯するストライキ行動を宣伝と集会に切り替え、3回目交渉で要求の一部前進がはかられたと職員らに報告しました。
 がんセンター前では、交渉妥結とスト回避を知らせるビラを職員や市民に配布。「さらなる賃金・労働条件の改善で『よい医療』をめざしましょう」と呼びかけました。
 院内で行った報告集会で、全医労北海道地方協議会の黒岩勉副議長は、「われわれの要求はないがしろにできるものではないと伝わりつつある。地域性がある中、一丸となって妥結できたことは大きな成果です」と参加者らをねぎらいました。
 佐賀正悟事務局長は、「外に向けたアピールだけではなく、使用者へのプレッシャーをかける行動も大切」と述べ、効果的な賃上げのための行動の成果だと強調。「春闘前に先頭に立って示してくれた全医労のこの経験を生かして、札幌、全道、全国に広げてみんなで盛り上げていきましょう」と呼びかけました。
 参加者からは、「先の見える回答が聞けたことは、今後のたたかいの励みになる」「労働組合があったからこそということを、未加入の職員に何より知らせたい」など喜びや決意が語られました。

全医労が得た前進回答
スト構えた闘争こそ賃上げの力

さらなる職場の待遇改善と賃金アップなどを訴える全医労の組合員と支援者ら=1日、東京・目黒区の国立病院機構東京医療センター前

※しんぶん赤旗2024年3月2日掲載記事 pdf
 春闘の先陣を切ってストライキを構えた全日本国立医療労働組合(全医労)の闘いは、かたくなに賃上げを渋る国立病院機構の姿勢を変えました。労働組合側が闘いに弾みをつけて、今月中旬の春闘のヤマ場を迎えます。
 機構は、昨年の春闘の賃上げをベテラン層で月500円引き上げという低額回答に固執していました。全医労は、大幅賃上げと人員増で国民のための医療を守れと粘り強く要求し続け、最大8000円へ上積みする前進回答を実現。ストを回避しました。引き続き今年分の春闘を闘います。
 全医労の成果は、全労連・国民春闘共闘が提唱するストを構えた労働組合主導の賃上げの重要性を示しています。
 経団連は、昨年の春闘で「30年ぶりとなる高い月例賃金引き上げ」を実施したとアピールしますが、実態は賃上げが物価高騰に追い付かず、実質賃金は21ヵ月連続マイナスです。
 岸田政権は、経団連と連合を呼び集めて労務費の価格転嫁を「お願い」していますが、政府に責任がある医療・介護・障害福祉の報酬改定でベア加算を2.5%と物価高騰に見合わない率に抑え込んでいます。政府や大企業の管理のもとで待っていても賃上げは実現しません。
 海外では全米自動車労組(UAW)が三大メーカー一斉ストで25%の賃上げを勝ち取っています。長らく「ストライキのない国」といわれた日本でも、昨年来、ストが活性化しています。
 契機となったのが、全医労が昨年3月9日、全国124ヵ所の国立病院で決行した春闘ストでした。そごう・西武や大学・研究機関、放送局、航空会社などにストが広がり、1年後の全医労の要求前進へと威力を増幅させています。
 全労連・国民春闘共闘は、春闘のヤマ場にあわせて、毎週、ストを含む統一行動を波状的に実施します。ストを構えた労働組合の統一闘争こそ、大幅賃上げを実現する力です。  (田代正則)