※朝日新聞2024年3月16日掲載記事
市民団体「九条の会・ちがさき」が主催する事業について、茅ヶ崎市が後援名義申請を不承認としている問題で、市は不承認決定の取り消しを求めた同会の行政不服審査請求を「行事が終了し、請求の利益がない」などとして却下した。第三者機関に諮問しない門前払いで、同会は提訴を含めて対応を検討するという。
裁決書によると、同会は昨年5月、9月開催の「平和を願う講演と音楽のつどい」の名義後援を市に申請したが、市は6月に不承認を決定。同会は8月、市は会の護憲的傾向を根拠に不承認としたが、平和都市宜言している市の施策と合致する、などとして審査請求した。
市は、文書法務課長を審理員に指名して審査。行事が終了して請求の前提となる法律上の利益がないなどとして不適法とし、3月6日付で却下の裁決をした。
同会の後援申請は2019年から5年連続で不承認となっている。市は弁明書や朝日新聞の取材で「(同会は)いかなる場合でも護憲に向けた活動のみを行う団体。将来の憲法改正に関する一方の立場からの内容が合まれているであろうと判断した」と説明している。 (足立朋子)