ストで元気に

※しんぶん赤旗2024年3月7日掲載記事 記事pdf

全医労・東京医療センター支部 上野美優 支部長

 春闘で2年連続ストライキを構えた全日本国立医療労働組合(全医労)。国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)では、世代継承で同支部の支部長になって2年の上野美優さん(36)=看護師=が先頭に立ち、昨年来組合員数を1.5倍に増やしています。
 国立病院機構は昨年春闘の賃上げ実施を今年4月まで先延ばしし、ベテラン層でわずか月500円という引き上げ額に抑え込んでいました。2月29日の交渉で、全医労が翌日にストを構えるなか、機構が最大8000円へ上積みを提示。前進回答を受けて全医労はストを回避しました。
 上野さんは「これまでよりいい回答が出ました。けれど、物価高騰に追い付くにはまだ足りない」と言います。前進回答で弾みをつけ、全医労は今年分の賃上げを求める春闘交渉で、月額4万円以上を掲げています。

夜勤強要が蔓延

 上野さんが組合に加入したのは2020年。2人目の子どもを産んで、コロナ禍のなか職場復帰してからでした。「想像以上のハラスメントが蔓延(まんえん)していて、何とかしたかった」と振り返ります。
 病院は、2人の育児中なのに、夜勤の「協力」を強いてきました。九州にいる両親を上京させて子守りをさせろ、自己負担でベビーシッターを頼んで夜勤に入れ、と生活を無視した提案でした。
 上野さんは、全医労に相談し、加入。団体交渉で妊娠中や育児中でも夜勤を強いられる実態を取り上げると、看護師650人中4人しか夜勤の免除を受けていないことが明らかになりました。
 これまで子育てしながら働き続けられず退職していった同僚の涙が、上野さんを突き動かします。コロナ禍で、東京医療センターは退職者数が新規採用者数を上回り、人員不足がさらに深刻化しました。
 上野さんは、ラインなどを活用して「年休が取れない」「日勤でも夜勤並みの少ない人数しか配置されていない」など各職場の仲間の相談に乗ります。

組合活動に確信

 昨年3月9日、全医労で31年ぶりのスト。「職場に相談できる労働組合があることを知らせることができた」と確信を持ちます。
 支部が元気になり、病院による新入職員研修の際に、組合加入説明会を実施できるようになりました。組合員数は昨年以降1.5倍に増加しました。
 人員不足打開の要求を続け、病院は、経験者採用や年度途中の採用もはじめました。4月からは少し人員が増える予定です。
 今回のストを回避して開いた病院前集会には昨年以上に多くの支援者が集まりました。「たくさんの支援に励まされています。医療労働者の過酷さが伝わって、子どもを育てながら働ける職場に変えていければいい」と希望を語りました。

しんぶん赤旗20240307