子ども医療費無償化「無駄な受診ない」現場の声

〈しんぶん赤旗2023年4月5日(水)掲載記事〉

国会発
子ども医療費無償化「無駄な受診ない」現場の声

 岸田文雄首相や加藤勝信厚生労働相は、子どもの医療費無償化について「比較的健康な子どもの受診が増える」「不適切な抗生物質の投与が増える」(3日、参院決算委での日本共産党の吉良よし子議員への答弁)などとかたくなに背を向けています。しかし、岸田首相の姿勢には医療現場からも痛烈な批判の声が上がっています。
 日本共産党の宮本徹議員は4日、衆院厚生労働委員会の参考人質疑で「自治体が一生懸命に無償化を拡充しているなか、国は前向きではない。無償化を進めるべきではないか」と質問しました。
 日本医師会の釜萢(かまやち)敏常任理事は「窓口の自己負担軽減策は利点が大きい」「私自身は小児科医だ」と前置きした上で、「保護者が医療機関を受診するのは大変な時間もかかり、苦労がある。無料になったから無駄に受診する方はほとんどいない」と述べました。
 さらに、「医師が“無料だから”と不適切な治療をする事例も極めて少ない」「抗生剤の適正使用に関して、特に小児科医は非常に真剣にとりくんでいる」と釜萢氏。北海道家庭医療学センターの草場鉄周理事長も、病気やけがの多い子どもにとって、病院での早期診察、早期治療が重症化リスクを防ぐことにつながるとして、「無料化していく方向でいい」「気軽な健康相談をすぐにできる」と強調しました。
 「異次元」の少子化対策を掲げる岸田政権ですが、肝心の子育てを理解しない政策に国民の怒りは沸騰しています。